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苦い経験から学ぶ屋根の二重防水

苦い経験から学ぶ屋根の二重防水!
屋根の施工で一番気を遣うのは、工事中に雨や雪が突然に降ってくることの対策です。
二重垂木での屋根施工の場合、一段目の垂木を施工後に捨て合板を施工しますが、合板が突然の雨や雪で濡れてしまいそのままにしてしまうと結露の原因になってしまいます。また、捨て合板は、一般に多く利用されているダンボールで造られている通気部材と違って屋根に断熱材を施工する場合の押し込み防止の役割も果たしますので確実に通風が確保できるメリットがあります。

そこで私の設計では、屋根の二次防水として、一段目の垂木施工後に合板を張った上に透湿防水防風シートを軒先から棟まで全面に施工することを基本としています。その役割は防風及び防水のためですが、これには苦い経験があってこの施工方法になりました。

その苦い経験とは?

下の写真をご覧下さい。
waVGgqRvPiGDlKo1458897358_1458897416.png一段目の垂木の上に合板を施工し、その上に透湿防水防風シートを張った後に雪が降り、日中に気温が上がりその雪が融け始め、深夜から朝方にかけて気温が低下、そのため氷(ツララ)になってしまったのです。   
写真はその状態です。
実は、少し前までコスト面から全体に透湿防水防風シートを施工しないことがありました。合板の接合部には防水テープで処理をしていたので少々の雨、雪が降っても大丈夫だろうと思っていました。しかし、この苦い経験があってからは屋根全体にスッポリ透湿防水防風シートを包むように施工するようになりました。結果、写真で検証できたように雨、雪が降っても心配することがなくなりました。



次の写真はその施工方法です。
IMG_9895 (2)
透湿防水防風シートを敷設後、二段目の垂木を施工します。
通気層としては次世代省エネ基準では30㎜以上の通気層の厚みをとることとされていますが、私は、積雪荷重なども考慮し90㎜の垂木で設計しております。
その後、野地合板を施工しアスファルトルーフィングで一次防水をし、屋根の仕上げ材を施工します。軒先側は透湿防水防風シートを≒300㎜屋根から壁に予め下げて屋根のシートと壁のシートと切れ目なく連結させるための先張りシート施工を行います。



施工時に天候など気を付けていたとしても、何が起こるかわからないので、このように未然に防ぐ施工方法が必要だと思います。





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断熱改修したのに床が寒い!!

断熱改修したのに床が寒い!!

先月、築30年の家を断熱改修したA様から、『寝室の床だけが寒く感じるんだけど、断熱材入れたよね?』とクレームの連絡が入りました。

12825580_688581767951093_1209810692_n.jpgA様のお宅へ行ってみると確かに冷たい部分があり、熱カメラで撮ってみると床表面で極端に温度差があることがわかります。不思議なことは、集中的に冷たい部分が数カ所点在していました。










断熱リフォーム前の床は根太工法の断熱が無い状態でしたので、根太間に105㎜のビーズ法ポリスチレンフォーム特号(発泡スチロール)を充填し(挟み込み)、気密シートでしっかりと防湿・気密化を図り改修を終えました。施工中の写真では施工ミスがないようにしっかりと充填され、気密処理もしっかりしていたので、とても不思議に思いながらも床下の調査を行いました。
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床下に潜り確認すると、やはり施工ミスはなく断熱材はしっかりと充填されているように見えます。しかし、床下側から根太間と断熱材の施工状態を細かく目視すると根太と断熱材の間に小さな隙間が点在していました。この隙間が床の表面温度を下げている原因だと考えられます。しかし、この程度でだけでは熱カメラに写ったあの酷い状態にならないような気がします。
そこで、さらに合板と断熱材との間にも隙間があるのではないかと考え、下から断熱材を押し込んでみました。すると断熱材を合板側に押し込むと5mm程度押し込まれ密着させることができたのです。
床下断熱充填

原因として、
①根太と断熱材の間に隙間が生じていたこと。
②断熱材施工後の隙間に一液性のウレタンで断熱補修をしたけれども、断熱材の厚さ(ここでは100mm厚)の下端までウレタンが充填できず断熱効果を弱くしてしまったのです。つまり、100mm必要とする断熱材が20mm~50mm程度しかウレタン充填補修されていないのです。
③さらに床下の外気が、根太と断熱材の隙間を通って、合板と断熱材の隙間部分を冷やし、表面温度を極端に下げていたのでした。これが熱カメラで見られる表面温度が上がらなかった理由だと考えられます。

根太間に発泡系の断熱材を充填(挟み込む)する場合は、目視でよく見えていても根太と断熱材との間に微妙な隙間が生じることがあります。その場合は一液性のウレタンで隙間を断熱材の厚さ分まで充填するか、(断熱材をVカットしてウレタンガンの先が断熱材の下端まで届くようにしてから補修する)根太の下端4周囲に断熱受け材をセットして、断熱受け材に密着させるように上から断熱材を挟み込むようにしてすると隙間を防止できるのでお薦めです。
Vカット
 ※写真はVカットして断熱材の厚み分を綺麗に断熱補修した断面

原因が分かったのでまずは補修です。
根太と断熱材の隙間をなくするために下から押し込み断熱材を床下地合板に密着させて、さらに一液性のウレタンで下から隙間を充填し断熱補修を行いました。補修後、熱カメラで見てみると床の表面温度が上がり改善したことがわかります
12822930_688581787951091_756729724_o.jpg12834644_688581804617756_11404528_n.jpg


後日、お施主様からも『体感的にも室内温度は上がったよ!』とご報告がありホッと胸を撫で下ろしました。

※予算的に可能であれば断熱改修でも床断熱ではなく基礎断熱を行うことにより、このような施工ミスは防ぐことができます。
 

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